中山金杯 (GIII)

[予想]
まずは出走馬が経由したレースのレベルをチェック。


中日新聞杯 ※小倉開催のため小倉記念と比較
07:34.9-48.5-35.3=1:58.7
08:34.8-48.1-35.0=1:57.8
09:34.7-47.8-35.8=1:58.3
10:34.3-48.4-35.2=1:57.9
10: 34.6-50.2-33.9=1:58.7 (中日新聞杯)
11:33.3-47.6-36.4=1:57.3
11: 35.1-48.5-36.0=1:59.6 (中日新聞杯) ※稍重

テンは34秒台、中盤が48秒前後、上がり35秒台というのがデフォルト。去年の当レースは極端な中緩みレースで後ろで溜めた馬と行き切った馬が恵まれ、底力は問われず持続力が問われたレース。今年は馬場差不明だが一般的な流れで、若干テンと中盤速い分上がりがかかったか。ただ、逃げ馬が飛ばす縦長の流れだったため勝ち馬コスモファントムは案外楽なレースで、むしろ番手でレースを進め逃げ馬がタレてきた四角で先頭に押し出されてしまったエーシンジーラインの底力の方が加点できるか。そのエーシンジーラインの前走朝日CCはデフォルトの前半緩く恵まれたが高い持続力を示しており、小倉記念では激流を先行して踏ん張っている。(マイルよりのスピードとも取れるが)


福島記念 ※新潟開催なため新潟記念と比較
07:35.1-47.2-35.5=1:57.8
08:35.7-47.5-34.3=1:57.5
09:36.6-49.5-33.5=1:59.6
10:36.2-47.9-34.3=1:58.4
11:36.1-48.9-34.1=1:59.1
11: 35.5-49.0-34.6=1:59.1 (福島記念) ※重

中盤はやや緩んだものも重のわりに上がりもまとめている。5ハロン目まで馬場状態加味すればハイラップで進み(59.4)、緩んだのが6ハロン目(12.8)という前行った馬には厳しい流れで、実際5番手以内の馬が11,13,15-18着に破れている。とすれば、中団からねじ伏せた勝ち馬の底力と持続力は評価できる。


ディセンバーS
07: 35.4-34.7-37.2=1:47.3
08: 35.9-35.6-36.0=1:47.5
09: 37.5-36.6-34.4=1:48.5
10: 37.2-35.6-35.1=1:47.9
11: 36.1-34.9-36.0=1:47.0

テン・上がりは一般的で中盤が速い底力勝負。マイラーのスピードの持続力or中距離馬の底力が問われるレース。この流れを差し切ったナカヤマナイトの底力は評価できるとして、今回出走のミステリアスナイトやイケドラゴンも踏ん張っており評価できるが前述の通りマイラーの可能性も(実際ハイラップの07年を先行して押し切ったサイレントプライドはその後中山金杯負けてマイル重賞を2勝)。ダイワは中団から惨敗だが掛かってちぐはぐなレースぶり、馬体増で息切れ等を考えれば度外視できるか。


当レースの展開を考えると、逃げ馬不在で昨年のようにテンはゆったり入り、中盤以降の持続力勝負orテンもそれなりに速く底力勝負になるだろう。優れた持続力に底力があるのは最低条件でテンが遅くなった場合にある程度瞬発力もあると良い。


ダイワファルコン
ハイレベル大阪杯好走の持続力/底力に、近走でもカシオペアSのハイラップをほぼ最速上がりで差し切った持続力/底力を示している。前走惨敗は度外視すれば人気を落としたここは絶好の狙い目。瞬発力もそれなりに。
○アドマイヤコスモス
人気なので嫌いたいが前々走の持続力は立派だし、前走も強い競馬。ペースが落ち着いた時に差し損ねる可能性はある。
アクシオン
昨年のようにペース落ち着きすぎるとさっぱりだが、函館記念で示した底力からして今年も勝負できる。
エーシンジーライン
展開利あれば。コスモファントム比較では必ず中日新聞杯よりはテンが緩むはずなのでこちらを買いたい。
▲イケドラゴン
ディセンバーSの踏ん張りを評価。軽ハンデでどこまで。去年のようなレースだと切れ負けするが・・・
コスモファントム
二歳のラジオNIKKEI杯以降底力は示していない。ペース落ち着いた時にどうかと言ったところ。
ネヴァブション
底力型だが距離短いし、休養空けなので。
△ミステリアスライト
昨年は後方からだったので度外視できる。前走の踏ん張りを評価して。
フェデラリスト/ネオサクセス
上がりの競馬のみで底力見せてないため人気では買えない。
消エクスペディション
小倉の好走はここに繋がるが条件戦はテンが遅いため、底力面で疑問あり。


馬券は◎の単勝と◎-◯/◎−▲/◯ー◯の馬連で。


[結果]
2012年:36.9-47.9-34.6=1'59"4(フェデラリスト) (消→◎→消→▲→消)
2011年:36.2-49.0-34.6=1'59"8(コスモファントム)
2010年:36.6-48.2-36.0=2'00"8(アクシオン)
2009年:36.2-46.5-35.8=1'58"5(アドマイヤフジ)
2008年:37.1-48.7-34.9=2'00"7(アドマイヤフジ)
2007年:36.0-48.4-38.0=2'02"4重(シャドウゲイト)


今年はテン過去最遅レベルからの残り5ハロンの持続力比べに。これだけテンが遅ければ勿論先行馬は恵まれ、後半速いため後方待機組は差を詰めることができず、勝負圏は一、二着馬がいた中団くらいまで。底力は問われない流れであるため、裏付けのなかったフェデラリストに勝ち切られてしまったがが、あくまで優れた持続力を示したに留まり、次走が試金石となりそうだ。
もちろんこの流れは事前に「逃げ馬不在で昨年のようにテンはゆったり入り、中盤以降の持続力勝負orテンもそれなりに速く底力勝負になるだろう」と想定しており、どちらの資質も兼備しているダイワファルコンを本命に推せたのは良かった。以前は中盤46秒台になることもしばしばの底力戦であったが、近年はここでさほど速くならない傾向にあることは覚えておきたい。とはいえ、1着、3着馬が抜けでは馬券はお手上げ。次走巻き返し候補は、底力勝負で進展ありのダイワファルコンや後ろで何にもできなかった馬達。


[余談]
正月競馬の勝負レースの本命馬の成績はモエレフルール(1番人気3着)→マカニビスティー(7番人気2着)→ダイワファルコン(4番人気2着)→オセアニアボス(8番人気7着)でそこそこ。半笑いらのコラムが終わった今、今週のようにしっかりした回顧/予想を継続してきたいところ。