弥生賞 (GII)

11年:12.8-11.3-12.2-12.8-12.6-12.4-12.2-11.8-11.2-11.7 = 36.3-50.0-34.7 = 2.01.0
10年:12.8-11.6-12.7-13.5-13.0-13.0-12.7-12.5-12.1-12.2 = 37.1-52.2-36.8 = 2.06.1 ※重
09年:12.4-11.3-12.2-13.0-13.1-13.0-12.7-12.2-11.5-12.1 = 35.9-51.8-35.8 = 2.03.5 ※稍
08年:12.2-11.5-12.4-12.8-12.9-12.5-12.3-11.7-11.3-12.2 = 36.1-50.5-35.2 = 2.01.8
07年:12.3-10.6-11.6-12.8-12.5-12.6-12.9-11.8-11.7-11.7 = 34.5-50.8-35.2 = 2.00.5

基本的に上がり3F勝負で、瞬発力上位の馬に向くレース。前は楽に行けるので先行馬有利。馬場差考慮すると基本的に中盤50〜51.5くらいで流れる中揺みだが、07年のみテンがかなり速かったため追い込みがハマった。ディープ世代やアドマイヤムーン世代以降中盤49秒台が出なくなったが、今年の流れはいかに・・・


[参考レース]
寒竹賞 (500万)
12年:12.8-10.9-12.9-12.2-12.5-12.0-12.2-12.0-12.0-12.1 = 36.6-48.9-36.1 = 2.01.5

テンこそ緩いが、中盤以降が一貫して速い超ロングスパート戦。このラップを逃げて演出したメイショウカドマツは上々。京成杯一週間前で、馬場差ないとすれば勝ちタイムもなかなか。


ホープフルS (OP)
11年:12.2-10.8-12.2-12.9-13.1-12.4-12.8-12.0-11.1-11.9 = 35.2-51.2-35.0 = 2.01.4
10年:12.2-11.0-11.7-12.7-12.6-12.7-12.6-11.7-11.5-11.7 = 34.9-50.6-34.9 = 2.00.4
09年:12.2-11.7-12.0-12.2-12.4-13.3-13.0-12.2-11.4-11.8 = 35.9-50.9-35.4 = 2.02.2
08年:12.2-11.0-12.1-12.7-12.3-11.9-12.6-12.4-11.2-12.0 = 35.3-49.5-35.6 = 2.00.4
07年:12.7-11.8-13.0-12.9-12.6-11.8-12.2-12.0-12.0-12.9 = 37.5-49.5-36.9 = 2.03.9 ※稍
06年:12.4-11.1-11.3-11.8-11.9-12.3-12.5-12.7-12.4-12.7 = 34.8-48.5-37.8 = 2.01.1

そのメイショウカドマツがポカしたレースがこれ。テンが35.2と速いが、中盤で緩めすぎたために、瞬発力上位馬に切れ負けした形。理想は寒竹賞の逃げを打つことだが、楽にテンを奪えるかとジョッキーが中盤のペースをどうするかにこの馬の好走条件が担われる。で、レースレベルはというと、このレースはもともと激流になりやすく、実際にその後の好走馬は激流となった年(06年、07年、08年、10年)から出ており、いまいちだったスローの09年に次ぐスローとなった今年のレースレベルは微妙か。


葉牡丹賞 (500万)
11年:12.1-10.7-12.3-12.9-13.0-13.0-13.0-12.8-12.3-12.4 = 35.1-51.9-37.5 = 2.04.5 ※不

メイショウカドマツは4走連続で中山2000mを走るわけね。4走前は不良となったが、単純に馬場差3秒だとしても、34.3-50.5-36.7と恐ろしく激流なことがわかる。もちろんこの流れだと差し追い込みが上位を独占する中、一頭2番手からコスモオオゾラの半馬身差に堪えた底力は特筆もんでしょう。


ラジオNIKKEI杯 (GIII)
11年:12.8-11.2-12.7-12.8-12.6-12.6-12.3-11.8-11.4-12.2 = 36.7-50.3-35.4 = 2.02.4
10年:12.7-10.8-13.0-12.7-12.5-12.5-12.3-11.8-11.8-12.1 = 36.5-50.0-35.7 = 2.02.2
09年:12.6-11.0-12.7-12.9-12.5-12.6-12.2-11.6-11.4-11.8 = 36.3-50.2-34.8 = 2.01.3
08年:12.6-11.0-12.3-12.2-11.8-12.0-12.3-12.3-12.3-12.9 = 35.9-48.3-37.5 = 2.01.7
07年:12.5-11.6-13.4-13.4-13.6-13.9-13.1-11.5-11.4-12.6 = 37.5-54.0-35.5 = 2.07.0 ※重

07年は馬場差考慮してもドスローからの凡戦、08年は逆にリーチの暴走で超絶ハイラップ戦、09年はテン、中盤そこそこながら上がりをまとめてくるというハイレベル戦で上位入選馬はその後クラシック大活躍、10年も中盤よどみなく流れある程度底力の問われる流れ。これらと比べると11年は10年弱化版といったところだろうか。上がりがわりと速く瞬発力勝負の意味合いが強く、上位入選馬では捲って2着のゴールドシップを評価するまでとしたい。


[予想]
例年中盤緩んでからの瞬発力勝負になってしまうレースだが、逃げ馬が最内に入ったことでテンは速くならなそうだが、(ジョッキー次第ではあるが)今年は有力どころに先行馬が揃って案外締まったペースになるのではと判断。馬場も悪いので切れよりも、持続力・底力を重視した予想とした。

◎メイショウカドマツ
瞬発力勝負になるとホープフルSのように切れ負けする恐れがあるが、上で述べたようにテン遅めからのロングスパート戦に期待する。今の馬場は完全に内有利で、内枠の逃げ馬で良いところを走れるアドバンテージは相当に大きいと判断する。

コスモオオゾラ
葉牡丹賞で底力をみせ、東京のレースではある程度の瞬発力もあることを示している。◎よりも切れ味勝負になっても対応できる分安定感はあるが、内枠の利を生かせない展開になる可能性が◎よりもあることと、葉牡丹賞では実質◎の方が強い競馬だったことを考慮して対抗まで。

▲アーデント
京成杯は中々のハイレベル戦。内枠の利を生かしてどこまで。

フェノーメノ
前走東京2000mは入れ替わり立ち替わりの激しい競馬でそれを先行しての押切は価値がある。勝ちタイムも立派で、過剰人気しているのと枠で評価を下げたが、瞬発力もあるので△一番手評価。

△ソルレヴァンテ
前走、前々走とそれなりに締まった中山2000mの後半を好走しているのが評価できる。

エキストラエンド
小倉2000mのロングスパート戦が評価できる。枠は不利だが。


馬券は◎の単勝と、◎-○、◎-▲、◎-△、○-▲、◎-△1で。


[結果]
12年:12.5-11.0-12.7-13.5-13.4-13.1-12.3-11.9-11.5-12.0 = 36.2-52.3-35.4 = 2.03.9 ※稍
今年もっとも反省しなければいけないレースとなった。週中から鞍上藤岡が◎のことを理解して持続ラップで逃げくれるものかどうか危惧していたが、恐れていた通り中盤緩めて(過ぎて)しまった。出遅れは予想外で、あれがなければというのもあるが、テン遅いのは予想通り。本当にセンスのない馬券。これまで続けていた、展開を決め打ちできない場合は、どちらの流れになっても好走できる確率の高い馬を軸に置くというのを、なぜここでできなかったのだろう。
ともかく、このレースで覚えておきたいことは、1藤岡(兄)はどうしてもスローに落としたいジョッキである、2弥生賞はどの馬を折り合い重視で進めるためどうしても中盤が緩む、の二点。先行馬が揃ったからとかいう安易な理由で底力勝負に期待してはダメだ。今回の場合はスローでもやれるコスモオオゾラを本命に置いていれば、多少底力勝負になっても安心して観れたわけだ。スロー前提ならトリップも買えないこともないし(アダムも同時に買わざる得ないが、内枠の利を考慮してトリップの方を上に評価したいところ)、少なくともコスモの単は当てていただろう。
次走以降で買いたい馬は、とにかく今回は内有利のトラックバイアスが強すぎたために、上位三頭は過信しすぎない方向でいきたい。とはいえ、コスモオオゾラは何度も言うように葉牡丹賞で底力を見せているので激流となる皐月賞も問題無し。トリップは逆に疑問。(この馬についてはやや評価を改める必要がありそう。詳細は京成杯展望の項。)アーデントも底力では一歩足らなそう。これ買うなら京成杯でこの馬より強い競馬の1、3着の方。中枠以降の馬は今回の結果は参考外でいいだろう。フェノーメノなんかはかなりロスの大きい競馬だったが最後猛然と伸びてきている。特に◎メイショウカドマツは底力勝負でこその馬なので、スプリングS若葉Sでメイチで権利取りにきたら(そして藤岡が降ろされている)狙いたいところ。


[参考]
半笑いのコスモオオゾラ本命抜擢理由がこちら。まぁ大方自分の見解と一緒なのだが、重要な一文を太文字としておいた。

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弥生賞コスモオオゾラ(単勝29倍・9番人気)を◎本命にできた理由は、第一に葉牡丹賞で厳しい流れを差し切った底力。この時は前傾ラップで自身は中団からの競馬だったが、本来は先行馬なのでここは前で捌いて持続力が活かせる展開は見えていた。好枠+陣営が先行を明言していたのも当然重要な要素。
そして共同通信杯で苦手な切れ味勝負でも34.0の上がりで一応掲示板を確保したことで、資質の幅が狭すぎない・完成度が高いことを示したのも大きかった。その共同通信杯で展開向いて3着したスピルバーグより上の評価をすれば、前走でこれを負かしたフェノーメノが今回2番人気というメンバーならば差はない…いうことで、実はここまで見せた資質の幅・完成度はメンバー中でも上位。これだけ人気の差があれば、思い切って狙うだけの価値は十分にあった。

フェノーメノが勝った500万下やアダムスピークが勝ったラジオNIKKEI杯の解釈は企業秘密なので、ここでは詳細は伏せるが…今回は、「葉牡丹賞の馬場差をどう把握したのか」という質問のメールを頂いたので、これについてこの場でお答えしてみたい。

葉牡丹賞は不良馬場で「36.1-51.5-36.9=2'04"5」(テン3F-中盤4F-上がり3F=全体時計)。
同日の6F1000万下の時計が「1’10”1」。前4年の同週同級戦の時計を列記してみると「1’08”5・1’08”6・1’07”9稍・1’08”3」で、特に近年開幕週の時計が速くなっていることを考えれば、11年は水準より2秒程度遅い計算だった。まあこの6F戦は例年よりややペースが落ち着いていたので、実質馬場差は「1秒半〜2秒」程度かもしれないが…しかし同日のステイヤーズSは逆にやや速めのペースだったのに昨年より7秒も遅かった。芝のレースが少ないので厳密な判断は微妙だが、これらを総合的に判断すると、10F戦であれば馬場差3秒は見ていいのではないか。
開催が進んでホームストレッチの傷みが酷ければ偏った修正をする場合もあるが、開幕週なので馬場差は機械的修正で把握していいだろう。という訳で、
葉牡丹賞「36.1-51.5-36.9=2'04"5不」→「35.1-50.1-35.5=2'01"1(実質)」として分析した。
ちなみに、同開催のOP・ホープフルSが「35.8-51.1-34.5=2'01"4」なので、これより時計は速い見立て。いや、馬場差は大まかな把握なので全体時計の厳密な比較は微妙だが、何よりも「中盤が1秒程度速い」のが重要だったのだ。

ホープフルS1着アドマイヤブルーが京成杯3着、その京成杯で4着だったのがアーデント(今回5番人気3着)である。ホープフルSより中盤が1秒速く、全体時計も互角以上、即ち「完全にワンランク上の底力が測られた」葉牡丹賞を勝ち切ったのは、やはり意味がある実績と言っていいだろう。

まあ細かい数字は抜きにしても、同じ中山10Fの「葉牡丹賞コスモオオゾラが半馬身制したメイショウカドマツが、寒竹賞ではジョングルールを2馬身半負かしている」という結果だけからも、「ジョングルール=4番人気、メイショウカドマツ=7番人気、コスモオオゾラ=9番人気」という序列はかなりおかしかった。ここに気付くだけでも「ジョングルールを狙い下げてメイショウカドマツをやや上げ、コスモオオゾラを更に上げる」という作業ができたのではないだろうか。